近年耳にする機会が多くなってきた「SDGs」という言葉。
国や様々な企業がこのSDGsに取り組み始めています。
具体的にSDGsとは何なのでしょうか。
2001年に策定されたMDGs(ミレニアム開発目標)の後継として、2030年までに持続可能でより良い世界を目指す国際目標として国連加盟193カ国が合意して採択されました。
2030年のあるべき世界の姿を実現するために、17の目標とそれに紐づく169のターゲットが定められています。
1.貧困をなくそう
2.飢餓をゼロに
3.すべての人に健康と福祉を
4.質の高い教育をみんなに
5.ジェンダー平等を実現しよう
6.安全な水とトイレを世界中に
7.エネルギーをみんなに、そしてクリーンに
8.働きがいも経済成長も
9.産業と技術革新の基盤をつくろう
10.人や国の不平等をなくそう
11.住み続けられるまちづくりを
12.つくる責任つかう責任
13.気候変動に具体的な対策を
14.海の豊かさを守ろう
15.陸の豊かさも守ろう
16.平和と公正をすべての人に
17.パートナーシップで目標を達成しよう
詳細はIMACOCOLLABO(イマココラボ)を参照
企業がSDGsに取り組んでいる背景には、取り組むことによるメリットが多数存在するからです。
・共通目標を持ち、社内のモチベーション、一体感を作る
・自社製品、サービスに付加価値が生まれる
・世間からの評価、信頼が高まる
・SDGsは世界が直面している課題であるため、新たなビジネスチャンスとなる
17の目標と169のターゲットの中に企業が取り組んでいる事業に関連したものがあれば、積極的にSDGsと関連づけることで企業のアピールにつながります。
そもそも個人としてSDGsに取り組むとはどういうことなのでしょうか。
筋トレでSDGsに貢献する
筋トレに取り組むことは、SDGsの17の目標のうち「3.すべての人に健康と福祉を」の達成に貢献することになります。
さらにそこに含まれているターゲットを確認してみると、筋トレは主に3.4と3.5に関連が深いということがわかります。
3.1 | 2030年までに、世界の妊産婦の死亡率を出生10万人当たり70人未満に削減する。 |
---|---|
3.2 | 全ての国が新生児死亡率を少なくとも出生1,000件中12件以下まで減らし、5歳以下死亡率を少なくとも出生1,000件中25件以下まで減らすことを目指し、 2030年までに、新生児及び5歳未満児の予防可能な死亡を根絶する。 |
3.3 | 2030年までに、エイズ、結核、マラリア及び顧みられない熱帯病といった伝染病を根絶するとともに肝炎、水系感染症及びその他の感染症に対処する。 |
3.4 | 2030年までに、非感染性疾患による若年死亡率を、予防や治療を通じて3分の1減少させ、精神保健及び福祉を促進する。 |
3.5 | 薬物乱用やアルコールの有害な摂取を含む、物質乱用の防止・治療を強化する。 |
3.6 | 2020年までに、世界の道路交通事故による死傷者を半減させる。 |
3.7 | 2030年までに、家族計画、情報・教育及び性と生殖に関する健康の国家戦略・計画への組み入れを含む、性と生殖に関する保健サービスを全ての人々が利用できるようにする。 |
3.8 | 全ての人々に対する財政リスクからの保護、質の高い基礎的な保健サービスへのアクセス及び安全で効果的かつ質が高く安価な必須医薬品とワクチンへのアクセスを含む、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)を達成する。 |
3.9 | 2030年までに、有害化学物質、並びに大気、水質及び土壌の汚染による死亡及び疾病の件数を大幅に減少させる。 |
3.a | 全ての国々において、たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約の実施を適宜強化する。 |
3.b | 主に開発途上国に影響を及ぼす感染性及び非感染性疾患のワクチン及び医薬品の研究開発を支援する。また、知的所有権の貿易関連の側面に関する協定(TRIPS協定)及び公衆の健康に関するドーハ宣言に従い、安価な必須医薬品及びワクチンへのアクセスを提供する。同宣言は公衆衛生保護及び、特に全ての人々への医薬品のアクセス提供にかかわる「知的所有権の貿易関連の側面に関する協定(TRIPS協定)」の柔軟性に関する規定を最大限に行使する開発途上国の権利を確約したものである。 |
3.c | 開発途上国、特に後発開発途上国及び小島嶼開発途上国において保健財政及び保健人材の採用、能力開発・訓練及び定着を大幅に拡大させる。 |
3.d | 全ての国々、特に開発途上国の国家・世界規模な健康危険因子の早期警告、危険因子緩和及び危険因子管理のための能力を強化する。 |
2030年までに、非感染性疾患による若年死亡率を、予防や治療を通じて3分の1減少させ、精神保健及び福祉を促進する。
日本の医療分野では、個人の健康を改善し個人のQOL(Quality of life:生活の質)を向上させるために予防医療が推進されています。
ターゲット3.4もそれと同意義だと捉えることができ、怪我や病気にかからず健康な生活が送れるよう自分自身で予防に取り組むことがSDGsへの取り組みとなります。
筋トレは身体作りの一環として基礎代謝を上げる、睡眠の質を高める、血液循環を促進する、ストレスを解消するなど健康に関連したSDGsの取り組みと言えます。
薬物乱用やアルコールの有害な摂取を含む、物質乱用の防止・治療を強化する。
薬物の危険が身近に迫っていることや飲酒運転による事故は、メディアで頻繁に取り上げられています。
筋トレ自体が直接薬物の使用を防ぐことにはなりませんが、筋トレにより精神的な安定がもたらされている人や目標がある人は、薬物に手を出す可能性が低いと言えます。
薬物に手を出してしまう理由の一つにはストレスが大きく関わっているので、薬物を使用してしまう要因を排除するという意味でこちらも筋トレが間接的にSDGsの取り組みとなります。
筋肉量を増やすことを目的に筋トレをしている人は、アルコールの摂取を極力控えているはずなので、アルコール依存に陥る危険性も低いはずです。
筋トレをしていなくても薬物に手を出すつもりはなく、アルコール依存にもならない人はたくさんいますので、該当者にならないというだけでSDGsに貢献できていると考えることもできます。
スポーツブランドを通じてSDGsに貢献する
筋トレに取り組むだけではなく、筋トレのウェアやスポーツ関連グッズを販売している企業を通じてSDGsに貢献することもできます。
ここではSDGsに積極的に取り組んでいる2つの企業をご紹介します。
adidas(アディダス)×SDGs
SDGsに取り組んでいる有名スポーツブランドと言えば、アディダスが第一候補として挙がります。
アディダスでは、海洋プラスチック廃棄物を減らし、それを再利用する取り組みを行なっています。
人間が廃棄したプラスチックゴミは、海に流出し産業規模での破壊を引き起こす原因となり、食物連鎖に取り込まれ海洋生物にも影響を及ぼしています。
世界の海洋プラスチック廃棄物は、年間にして約1000万tもの量になるそうです。
30年後には、海洋プラスチック廃棄物の量が海に生息する魚を上回るとも言われています。
アディダスが取り組んでいるのは、回収した海洋プラスチック廃棄物からスポーツウェアやシューズなどアパレル製品全般を作り出すことです。
アディダスは2015年と早い段階から現在のSDGsに基づく取り組みを行なっており、すでに公式サイトやAmazonでリサイクル素材でできた商品が販売されています。
海洋プラスチック廃棄物を再利用したウェアやシューズを使いトレーニングに励むことも、私たちが個人でSDGsに取り組み貢献する手段です。
また、アディダスは公式サイトで”あなたにできること”として7つのステップを挙げています。
1.マイバッグ(エコバッグ)を持ち歩く
2.風船を使わない
3.包装を使わない
4.責任を買う
5.食べ物について考える
6.マイボトル(水筒)を持ち歩く
7.RUN FOR THE OCEAN
「RUN FOR THE OCEAN」は、ランニングを通じて海洋プラスチック廃棄物の問題解決に取り組む活動です。
RUN FOR THE OCEANに限らず、プロギングというゴミ拾いとジョギングを掛け合わせたスウェーデン発祥の新しいランニングも日本で広がってきているので、この機会に参加してみるのも良さそうですね。
TENTIAL(テンシャル)×SDGs
2018年に設立されたテンシャルというスタートアップ企業もまた、SDGsに取り組んでいます。
テンシャルは「スポーツと健康を循環させ、世界を代表するウェルネスカンパニーを創る」ということをミッションに、特許技術を採用したインソールや快適性マスク等を国内で展開しています。
2021年1月末から看板商品であるインソールの包装材を紙素材に変更し、原材料調達や製造工程における二酸化炭素排出量の削減に取り組んでいます。
また、アディダスと同じように海洋プラスチック廃棄物や気候変動が深刻な問題になっていることに着目し、二酸化炭素排出量の削減だけでなく、「プラスチック対策」をテーマに、素材、製造、配送、サプライチェーンのそれぞれで、環境に配慮した取り組みを進めていくようです。
このように筋トレのウェアやスポーツ関連グッズを販売している企業の商品を購入したり、イベントに参加してSDGsに貢献する方法もあります。
筋トレ自体がSDGsへの取り組みになる訳ではありませんが、筋トレの準備段階からSDGsに貢献できると考えると、環境に良い製品を使いたいですよね。
有名アスリート300人以上愛用の高機能インソール【TENTIAL】
他にもミズノやパタゴニアといったスポーツ・アウトドアブランドもSDGsへの取り組みを積極的に行なっています。
ご自身が愛用しているブランドにも、SDGsに関与した製品やサービスがないか今一度確認してみると、また違った視点でそのブランドを好きになりそうですね。