炭酸水はスーパーやコンビニなど身近なところで購入することができるカロリーゼロの水です。
健康や美容に良い効果が期待できるとして、日頃から水の代わりに炭酸水を飲むことを習慣としている人が増えています。
筋トレやダイエットをしている人の水分補給の選択肢としても炭酸水が選ばれたりしますが、炭酸水は筋トレとダイエットのどちらに効果的なのか、なぜ炭酸水を飲むと良いと言われているのか疑問ですよね。

炭酸水とは
炭酸水は一般的に炭酸ガスを含んだ水のことを言います。
炭酸ガスの正体は二酸化炭素です。
製造過程で水に圧力を加えて二酸化炭素を溶かしていくことで炭酸水が誕生します。
水に二酸化炭素が含まれているだけなのでカロリーはゼロです。
今は自宅でも簡単に炭酸水を作ることができます。
私たちが絶え間なくおこなっている呼吸にも二酸化炭素は含まれていますが、呼吸で取り込んだ空気中の二酸化炭素は血液中に吸収されることはありません。
炭酸水は飲むことで体内に取り入れられるので、炭酸水に含まれている二酸化炭素が血液中に吸収されて血中濃度を上げることができます。
農林水産省が出している炭酸飲料の規格には上記で説明した炭酸水の他に、”甘味料、酸味料、フレーバリングを加えたもの”という炭酸飲料も含まれています。
これはコーラやファンタといった炭酸飲料のことです。
炭酸水に含まれる二酸化炭素の量は時間経過とともに減っていくので、口の中に入れたときに弾ける刺激も弱く感じるようになります。

前置きが長くなりましたが、筋トレ、ダイエットそれぞれの炭酸水との関係について確認していきましょう。
筋トレと炭酸水の関係
ここでは筋肉量アップを目的としている筋トレを想定して話を進めていきます。

筋トレをすることで筋繊維が破壊され、超回復と呼ばれるその修復過程で筋肥大が起こり筋肉量がアップします。
筋肉量をアップさせたいのであれば、筋トレの負荷量を上げて限界まで追い込む必要があります。
目安としては、ギリギリ10回こなせる負荷量で休憩を挟みつつそれを3セット行うことです。
筋トレをすることで筋肉に蓄えられているグリコーゲン(糖の一種)が分解されて乳酸が生成されます。
乳酸は筋肉の収縮を阻害される要因と言われているので、筋トレの負荷量を上げて追い込めば追い込むほど蓄積されていくわけです。
以前までは筋肉痛の原因が乳酸だという研究が多かったですが、近年は筋肉痛と乳酸の関係は薄いと報告されています。
あくまでも乳酸の生成過程で発生する水素イオンが筋疲労の原因になり得るだけであって、直接的な筋肉痛の原因ではないので勘違いしないよう注意しましょう。
先ほどお伝えしたように炭酸水を飲むことで血中の二酸化炭素濃度が上がります。
二酸化炭素は血液中に吸収されると水と反応して重炭酸イオンになるのですが、この重炭酸イオンは酸性なので身体のpHが酸性に傾いてしまいます。
筋トレにより発生した水素イオンだけでは結びつく相手がいませんでしたが、重炭酸イオンが血液中にやってきたことで水素イオンと結びついてpHを元に戻そうと働くわけです。
化学式は以下の通りです。
CO2(二酸化炭素)+ H2O(水)⇔ H2CO3(炭酸)
H2CO3(炭酸)⇔ HCO3-(重炭酸イオン)+ H+(水素イオン)
上記の働きにプラスして、血液中の二酸化炭素濃度が上がったことで体内はより多くの酸素を取り込む必要が出てきます。
その結果、血管を拡張し血流量を増加させることで酸素の供給をまかないます。
ですので、炭酸水を飲むタイミングは筋トレ中、もしくは筋トレ後が望ましいです。
炭酸水と疲労回復の研究はまだまだ解明されていないことも多く、疲労回復効果がそれほど見込めないと謳う専門家もいます。
しかし血流量が増加することは代謝改善にも関係してくるので、水やスポーツ飲料と同様に筋トレ中に飲んで損はありません。
ダイエットと炭酸水の関係
最初に言っておくと炭酸水自体に脂肪燃焼効果はありませんので、あくまでもダイエットのサポートになる程度の効果しか期待はできません。
食欲抑制は想像がつくかと思いますが、炭酸水を飲むことで満腹感が得られ食欲が減るということです。

通常の水よりも満腹感が得られ、ゼロカロリーなので飲んでも体重が増えないのがメリットですが、これだけでは栄養素もゼロです。
無駄な間食を控えるには効果的ですので、プラスして食事から必要な栄養を摂るよう心がけましょう。
食事前や食事中に飲むと胃酸の分泌が低下し消化不良の原因になる場合があるので、食事前後の30分間は飲むのを避けた方が良さそうです。
続いては代謝改善です。
筋トレと炭酸水の関係でも触れましたが、炭酸水を飲んで血液中の二酸化炭素濃度が上がると、酸素の供給を増やすために血流量も増加します。
炭酸の刺激は胃にとっては負担となるので、一度に大量に飲まずコップ1〜2杯程度の量をこまめに摂取することが重要です。
また冷えた炭酸水も胃や腸の負担となり便通が悪くなる可能性があるので、常温保存がベストです。
結論
筋トレと炭酸水の関係
炭酸水は筋トレ中、筋トレ後に飲むことで疲労回復効果が期待できます。
疲労≠筋肉痛なのでそこは勘違いしないよう注意しましょう。
専門家の中には疲労回復効果はあまり期待できないと言う方もいるので、水やスポーツドリンクを飲むなら炭酸水でもいいよね、くらいのスタンスで飲むのが良いと思います。
ダイエットと炭酸水の関係
ダイエットに炭酸水を取り入れるのなら、食事前後の30分間を避けながらこまめに摂取し食欲抑制効果を期待しましょう。
もちろん食べないダイエットは健康に悪いので、必要な栄養は食事でしっかり補うことが重要です。
基礎代謝を上げて脂肪燃焼しやすい身体作りにもなりますので、家には常温の炭酸水を常備しておきましょう。